バイナリーオプションの資金管理術を解説!”複利”が鍵になる?

ギャンブルのイメージが強いバイナリーオプションですが、バイナリーオプションもれっきとした”投資”です。
そのため、バイナリーオプションで結果を出すには『資金管理』がとても重要になります。
この記事では、バイナリーオプションにおける資金管理の考え方を利回りや複利の観点からご紹介していきたいと思います。

取引手法だけでなく資金管理もしっかり押さえましょう!
目次
資金管理の基本:複利と単利

資金管理に関して、「複利で運用すれば雪だるま式に資金が増えて、あっという間に億り人になれる」と思っている人もいるようです。
最初に言っておくと、残念ながらそんなにミラクルな話ではありません。
ただ、効率よくお金を増やすという意味では、複利効果は投資でも重要です。

ということで、まずは複利と単利の違いから押さえていきましょう!
複利と単利の違い
複利と金利の話は投資の世界だけでの話ではありません。
例えば、あなたが銀行にお金を預けたり金融商品を購入すれば、必ず「金利」というものを耳にすると思います。

たしかに、金利という言葉はよく聞きますね!

実は、この金利にも「複利」と「単利」があるんです!
投資では元本割れするリスクがありますので、純粋に複利と単利の違いを理解するために、ここでは「元本100万円」「年利3%」 「運用期間5年の預貯金」と仮定して解説します。
投資元本100万円を単利で運用するとシミュレーション的には次のようになります。
年数 | 元本 | 利息 | 利息累計 |
---|---|---|---|
0年目 | 1,000,000円 | – | – |
1年目 | 1,000,000円 | 30,000円 | 30,000円 |
2年目 | 1,000,000円 | 30,000円 | 60,000円 |
3年目 | 1,000,000円 | 30,000円 | 90,000円 |
4年目 | 1,000,000円 | 30,000円 | 120,000円 |
5年目 | 1,000,000円 | 30,000円 | 150,000円 |

つまり、単利で運用すると5年後の利益は15万円になるということですね!

では、複利の場合はどうなるでしょう?
こちらも同じようにシミュレーションしてみましょう。
年数 | 元本 | 利息 | 利息累計 |
---|---|---|---|
0年目 | 1,000,000円 | – | – |
1年目 | 1,030,000円 | 30,000円 | 30,000円 |
2年目 | 1,060,900円 | 30,900円 | 60,900円 |
3年目 | 1,092,727円 | 31,827円 | 92,727円 |
4年目 | 1,125,509円 | 32,782円 | 125,509円 |
5年目 | 1,159,274円 | 33,765円 | 159,274円 |

単利で貯金した場合と比べると9千円以上の差が出ましたね!
注目していただきたいのが『毎年の利息』です。
単利の場合、あくまで元本に対して利息が発生するので、元本が引きあがらない限り利息の金額も変わりません。
それに対して、複利では「元本+受け取った利息(元利合計)」に対して利息が発生するので、自動的に毎回受け取る利息額は増えていきます。

これが「複利で雪だるま式に資金が増える」といわれる理由ですね!
ここで理解していただきたいのは、「複利の考え方はあくまで長期運用を前提とした考え方」だということです。
この点に関しては、「72の法則」という複利の効果を知る上で重要な計算式がありますので、ついでにご紹介します。
【72の法則とは】
資産を2倍にするには何年かかるか?を簡易的に計算するものです。
計算式は次の通りです。
👉72÷金利=お金が2倍になる年数(概算)
計算式から、「金利が上がれば上がるほどお金が2倍にある年数が短くなる」ということが分かりますね。
それでは、実際にどんな風になるか計算してみましょう。
金利 | 必要年数 |
---|---|
0.001% | 72,000年 |
0.020% | 3,600年 |
1% | 72.0年 |
3% | 24.0年 |
5% | 14.0年 |
10% | 7.2年 |
普通預金の金利は現在0.001%前後ですが、実際に計算してみると全然増えないことが分かりますね。
また、定期預金の金利(0.020%)でも資産を一気に増やすというのはちょっと難しいでしょう。
複利で運用する場合の利回り設定

投資における資産運用の話になると、「利回り」という言葉を聞くと思います。
【利回りとは】
増える利益の割合のことで、「預貯金における金利に相当するもの」だと考えていいでしょう。

利回りを知ることで自分の投資の資産状況が把握できるので、資金管理を考える上で複利と一緒に理解しておきましょう!
バイナリーオプションでの複利運用が「10%」とされる理由
これまでの話で、複利で雪だるま資金に資金が増える仕組みは分かりましたね。
それと同時に”あっという間に”増えるとは限らないこともなんとなく分かったんじゃないでしょうか?
では次に、バイナリーオプションの複利の目安のパーセンテージとして「10%」と書いている記事も多いですが、この「10%」の根拠を考えてみましょう。

金融庁が「資産運用シミュレーション」という計算フォーマットを公開していますので、それを使って算出してみましょう!
こちらでは、毎月の積立金額(投資金額)と想定利回り(年率)、積立期間を入力することで複利運用のシミュレーションができます。
例えば、毎月10万円を10年間運用すると、元本は1,200万円(10万円×12か月×20年)になります。
これに対して、利回り1%、3%、5%、10%で運用した場合の運用結果は次の通りです。
金利 | 元本 | 利益 | 最終運用額 |
---|---|---|---|
1% | 1,200万円 | 255.6万円 | 2,665.6万 |
3% | 1,200万円 | 883.0万円 | 3,283.0万円 |
5% | 1,200万円 | 1,710.3万円 | 4,110.3万円 |
10% | 1,200万円 | 5,193.7万円 | 7,539.7万円 |

複利の威力を感じますね…!

ご覧の通り、10%以上の金利でないと億り人には到底なれないのです!
おそらく、複利10%と言っている人たちの頭の中では”1億円”というのが一つの目標なのだろうと思います。
複利の仕組みについて理解できたと思いますので、複利・単利の考え方をバイナリーオプションに落とし込んで、資金管理について考えてみましょう。
バイナリーオプションスタート時点の資金管理

先ほどの複利のお話しには、元本割れというのが想定されていません。
【元本割れとは】
値動きのある金融商品を購入した際に、最初に購入した金額(元本)よりも金融商品の価格が下がってしまうこと。
バイナリーオプションは2者択一の投資ですから、当然、元本割れするリスクがあります。
そのため、バイナリーオプションでは、”元本割れのリスクを回避するために資金管理”が重要になってきます。

まずは、バイナリーオプションを始めたばかりの初心者のための資金管理術について解説します!
バイナリーオプション初心者の資金管理術は単利運用が基本
バイナリーオプション初心者はまだまだ勝率が安定しませんから、『リスクを減らす』ことをメインで考えたほうがいいです。
資金管理の面では、決まった額を掛け続ける”単利”の考え方をしましょう。

掛け金の決め方は、月での予算を決めて、それを月のトレード日数×1日のトレード回数で割るのが最も簡単でおすすめです!
例えば、月10万円で月に20日、1日2回トレードするなら、1回あたりのエントリー金額は次の通りです。
👉10万円÷40回(20日×2回)=2,500円
バイナリーオプションの損益分岐点は、ペイアウト率1.80倍の場合は56%ですが、実際に目に見えて資金が増えてくるのは、安定的に勝率60%を超えるようになるあたりからです。
それまでは、お金を減らさないために単利での資金管理を行いましょう。
勝率が60%~65%を安定的に超えてきてからの資金管理術

勝率が安定的に60%~65%を超えるようになったら、”お金を増やすための資金管理”を行っていくタイミングです。
そのため、安定的に利益を出せるようになったら、掛け金を引き上げていいでしょう。
ただし、完全に複利運用に切り替えることはおすすめしません。

どうして複利運用に切り替えてはいけないんですか?

バイナリーオプションは勝率が安定的に60%以上出せる人でも連敗することはざらにあるからです!

連敗して資金がなくなるような資金管理はダメというわけですね!
理屈でいえば、勝率60%の人でも4連敗する可能性はあります。こうなると、完全に複利で運用していたら、あっという間に資金がなくなってしまいます。
ですから、引き上げ金額を決める際は、複利の考えを取り入れて、全資産運用額の10%を掛け金にするというのが良いでしょう。
しかし、一旦引き上げたらまた単利の考え方に戻し、しばらくの期間は元本の10%、つまり一定額を掛け続けるのがいいと思います。
複利と資金管理の考え方

最後に、複利を活用する際の資金管理の考え方について簡単に触れておきます。
複利運用の考え方を利用して資金管理を行う際は、「資金の全体の流れ」を考えるようにしましょう。
そのためには、1回の取引ではなく複数回の取引における資金の流れを見るという視点も必要です。
一定額を掛け続けるというルールを作ると、1回当たりの取引に注目してしまいがちになりますが、トータル資産、つまり「口座残高がどのような状況になっているか?」はきちんと意識しておきましょう。
また、複利運用に関して端的にいってしまえば、「口座残高によって掛け金が変動する」ということです。

つまり、資金管理の難易度も上がり、それ故に破たんする可能性も高いわけです!
「今、自分の勝率が何パーセントくらいで、月当たりの資金の増加率がいくらか?」、こういったことも資金管理では大切です。
勝率だけでなく期待値にも着目せよ
資金を増やそうと思う場合は、勝率だけにこだわっていてもダメです。

さっき「自分の勝率が何パーセントか?」が大切って…

“勝率だけ”にこだわらず、期待値にも注意しようという意味です!
バイナリーオプションでは、勝率が高くても手法によっては期待値が低いというものもあります。
そうなると当然、口座残高も少ないはずです。
「勝率が60%あるから、複利の考えを利用して掛け金を増やしていい」といった単純な話ではないのです。
投資を長く続けることも立派な資金管理
資金管理でもうひとつ忘れてはならない考えは、『投資をいかに長く続けるか』という観点です。

複利のところでもお話ししましたが、複利の本当の効果は長く運用することで得られます!

短期的に一気に増やす方法ではないんですね…!
資金管理は、たしかにお金を増やすためには必要なことですが、元々は「お金が目減りすることを防ぐリスク管理の一つ」だということを忘れないようにしましょう。
まとめ
“効率よくお金を増やせる”という意味では、複利は有効ですし、複利の考えを取り入れた資金管理は非常にいいでしょう。
しかし、闇雲に複利で運用すれば、あっという間にお金が増えるという訳ではありません。
バイナリーオプションの場合、複利で運用していたがためにあっという間に資金が減るということもあり得ますので、そこは十分に気を付ける必要があります。

資金管理はお金を効率よく増やす上でも大切ですが、ベースは資金が目減りすることを回避するリスク管理だと心得ましょう!
タグ:バイナリーオプション, 資金管理